いざ「外壁塗装をそろそろしたい」と思ったら、塗装業者に丸ごとお任せにする場合が多いかと思います。それでも外壁の色だけは自分で決めたいと考える方は少なくありません。大切な住まいをせっかくきれいにするのですから、どんな色がいいかなとアレコレ考えるのも楽しいものです。

そこで今回は、お住まいの外壁塗装をする際にどんな色が似合うのか、塗料の色選びで失敗しないポイントについてご紹介いたします。

■ポイント① 「原色や明るすぎる色」は避けた方が無難

新築後十数年が過ぎ、次はどんな色の家にしようかと考える際、「次は明るくしてみたい」「思い切った色に塗ってみようかな」等、いろいろとアイデアが膨らむかもしれません。お住まいをどんな色に塗装するかしないかはもちろん自由ではありますが、基本的には原色や明るい色の塗料は避けた方がいいかもしれません。

その理由は、主に以下の2つが挙げられます。

【理由①】色で個性を出そうとすると悪目立ちしてしまうから

おしゃれで個性的な家に住みたいと思った時、外観デザインで個性を出すケースと、塗料の色で個性を出すケースが考えられます。実は塗料の色で個性を出すというのは非常に難しく、家の外観デザインに合わない奇抜な色を塗ると悪目立ちしてしまう場合があります。

かつて赤い外壁のお住まいを建てられた著名人が近隣住民とトラブルになったケースもあるように、街の雰囲気や周辺住宅との調和などもある程度考慮に入れた塗料選びをすると良いでしょう。

【理由②】明るい色は汚れや色あせが目立ちやすくなるから

新築当時はきれいだった外観も、立地条件や雨や風などによって徐々に汚れていきます。基本的に外壁に付着する汚れの色は薄茶色~茶色、またカビや藻が付くと薄緑色~緑色などの色が付着していきます。

実は、明るいトーンの塗料ではこうした汚れが目立ちやすいことが知られています。

例えば、真っ白な外壁の家に緑色のカビが付くことを想像していただくとわかりやすいでしょう。また、原色に近い明るい色の塗料は汚れが付くことで全体的にくすんで見えるようになってきます。

外壁の汚れや色のくすみが目立ちにくくしたいなら、ベージュ、グレー、アイボリーなどの落ち着いた中間色の塗料がおすすめです。

■ポイント② 塗料サンプルは「1~2段階暗め」を選ぶと◎

人の目は、同じ色であっても面積の違いによって明るく見えたり、暗く見えたりすることがあります。これを色の「面積効果」と呼びます。

【面積効果】面積が小さい……より暗く見える面積が大きい……より明るく鮮やかに見える

塗料のサンプルを見る時も同様で、タテ・ヨコ数センチ程度のサンプルカタログを見ていると、たとえ同一色であっても面積の大きさによって違う色に見える現象が起こります。

例えば、(こんな色にしたい!)とイメージに描いた塗料を探しに行き、サンプルで見つけて実際に塗装してみると、当初もっていたイメージより明るく仕上がることがあります。

外壁1面だけでもサンプルの数千倍もの面積に塗ることになるので、塗料選びでサンプルをチェックする時は、1~2段階暗めのトーンで選ぶと実際に塗った後とのギャップがなくなります。

■ポイント③ 2色使う時は「組み合わせる色」を考える
次は、お住まいを2トーンで塗りたい場合に知っておいていただきたいことです。

同じ色の塗料を使っても組み合わせる色によって濃く見えたり、薄く見えたりすることがあります。この現象を「明度対比」と呼びます。

【明度対比】ある色Aを塗る時、もう1色を落ち着いた色Bにする……Aが濃く見えるある色Aを塗る時、もう1色を鮮やかな色Bにする……Aが薄く見える

明度対比は人の目による錯覚なので、これを踏まえた上で色選びをすると良いでしょう。

また、お住まいの外壁の一部にタイルを使用している場合、タイルそのものには塗装はできないので、それ以外の壁をどんな色に仕上げるかで全体の雰囲気も変わってきます。

■ポイント④ 街の景観や環境との「調和」を意識するときれいに見えやすい

今はお住まいのデザインや色もバリエーション豊かになってきています。

とはいえ、多くのお住まいをよく観察すると、デザインが和風・洋風・和洋折衷にかかわらず周辺の景観にも調和する色が使われているケースがほとんどです。

明るすぎる色、暗すぎる色はかえって目立ちやすくなるので、避けた方が無難だと言えます。

また、色同士の相性はとても大切です。外壁、屋根、雨樋等の色のバランスを考慮し、2~3色、多くても4色(※無彩色などを使用する場合)程度にしぼっていくと、全体的な景観にまとまりのある塗装に仕上げることができます。

ぜひ今回の記事を参考に、塗料選びをしてみてください。