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知り合いの家で「屋根塗装ができない」と言われたようだが、自分の家は大丈夫だろうか。
塗装ができない屋根材って何だろう。
このように悩んでいませんか?
1990年代から2000年代前半まで使用された屋根材の一部では劣化が著しく「塗装しても意味がない」、つまり塗装しても屋根材が損壊してしまうためメンテナンスの費用がムダになるという理由から屋根のメンテナンスには葺き替えかカバー工法によるリフォームで対応しているのが現状です。自宅の屋根に「ノンアスベスト材」の屋根材が使用されていた場合、メンテナンスに注意が必要です。
そこで今回の記事では「塗装できない屋根材」はなぜ塗装ができないのか?についてお話しします。合わせて「塗装できない屋根材についての対処方法」についても解説しますので、どうぞ最後までお読みください。
Contents
H2 塗装できない屋根材とは?
塗装できない屋根材とは1996年から2008年に製造されたノンアスベスト屋根材を言います。ノンアスベスト屋根材は耐久性が著しく低く、10年前後でボロボロになる製品がほとんどです。
有名建材メーカーである積水やニチハ、クボタ松下(現ケイミュー)からノンアスベスト屋根材が発売されていましたが、数年でひび割れや剥離が見られ社会問題や裁判にまで発展したケースも見られました。また屋根材の知識が少ない塗装業者が塗装を提案し、お客様がお金を無駄にしてしまった例も少なくありません。
自宅の屋根が塗装できない屋根材かどうか、屋根塗装をする前に確認しておくことが望ましいでしょう。
H2 塗装できない屋根材特徴と種類
2006年のアスベスト製品規制を受け、多くの建材メーカーがアスベストを含まない屋根材を売り出しましたが、製品として熟成されていなかったため不具合が多発しました。屋根材として販売が40年続いたセキスイ瓦Uは現在でも多く見られ、劣化状態が著しく、多くのお客様が屋根メンテナンスに頭を抱えているのが現状です。
【塗装できない屋根材特徴】
- 亀裂や割れが屋根全体に及んでいる
- 屋根材先端から層状剥離している(層状にパリパリ剥がれる)
- 屋根材の割れで先端が滑落
- 屋根材両端部の割れや欠落
- 塗膜の剥がれが著しい
塗装できない屋根材は施工後、10年以内に劣化症状が現れ、割れや剥離が顕著で屋根材の滑落もあり大変危険ですので、自宅に塗装できない屋根材を使用している場合は早めの対処が必要になることを認識しておきましょう。
【塗装できない屋根材種類】
屋根種類 | 製造年月日 | 劣化特徴 |
コロニアルNEO | 2001年~現在製造中止 | 屋根全体のひび割れ |
レサス | 1999年~2006年 | 屋根全体のひび割れ、欠損 |
パミール | 1996年~2008年 | 層状剝離 |
セキスイ瓦U | 1970年~2007年 | 表層塗膜の剥離 |
塗装できない屋根材の代表製品を4つ挙げましたがその他の「ノンアスベスト屋根材」も基本的に塗装でのメンテナンスはできないことを覚えておきましょう。
H3 塗装できない屋根材①コロニアルNEO
塗装できない屋根材、コロニアルNEOは「クボタ松下」(現ケイミュー)が2001年~製造販売した商品で現在は製造中止となっています。コロニアルNEOの特徴は施工後10年を超えると屋根全体に細かいひび割れが発生し、欠損した屋根材が滑落することもあります。
コロニアルNEOは塗装できない屋根材の中では比較的劣化が少ないため、状況によっては塗装可能な場合がありますので屋根・外壁塗装工事業者へ相談してみるのも良いでしょう。
H3 塗装できない屋根材②レサス
塗装できない屋根材レサスは「松下電工」(現パナソニック)で1999年~2006年に製造販売された屋根材です。屋根材の強度が低く、点検等で屋根上を歩いただけで割れてしまうほどです。劣化状態は屋根全体にひび割れが発生し、屋根材先端が滑落する恐れがあります。屋根塗装では屋根材の強度はアップしないため塗装によるメンテナンスは避けましょう。
H3 塗装できない屋根材③パミール
塗装できない屋根材として代表格のパミールは「ニチハ」から1996年~2008年に製造販売されています。パミールは施工後10年前後で先端部分が層状剥離(ミルフィーユのような状態)を起こします。屋根表面に塗装してもパミールは表層部が剥がれますので塗装によるメンテナンスは費用がムダになるため屋根葺き替えやカバー工法による重ね葺きを検討しましょう。
H3 塗装できない屋根材④セキスイ瓦U
塗装できない屋根材のセキスイ瓦Uは「積水屋根システム株式会社」から約40年間に渡り製造販売されていきた製品で、全国で多くのお客様が被害を受けている屋根材です。劣化の特徴は表層塗膜の剥がれが顕著で素地がむき出しになるため雨が染み込みやすくなるところです。屋根塗装の際に行う高圧洗浄で劣化塗膜が更に剥がれ、塗装をしても強度が維持できないことから「屋根塗装」はお金を無駄にしてしまう可能性が高くなります。
自宅屋根がセキスイ瓦Uであればメンテナンスには屋根葺き替えかカバー工法をおススメします。
H2 塗装できない屋根材のメンテナンス方法
塗装できない屋根材は「塗装」をしても屋根材そのものが割れや剥離を起こすため無意味な工事となってしまいます。塗装できない屋根材のメンテナンス方法は屋根の葺き替えかカバー工法によるリフォームが最適と言えるでしょう。
【塗装できない屋根材のメンテナンス方法】
- 屋根葺き替え工事
屋根葺き替え工事は現況の屋根材を解体し、新しい屋根材を設置していく方法になります。
【屋根葺き替え工事工程】
- 足場架け
- 既存屋根撤去工事
- 屋根下地材設置
- 防水シート敷き込み
- 新規屋根材設置工事
- 棟板金・雪止め取付
- 足場解体
屋根葺き替え工事期間は約1~2週間ほどになりますが、屋根の状況により期間は変動し、費用は100万円~200万円ほどで使用材料により増減します。
- 屋根カバー工法
屋根カバー工法は既存屋根の上に新規屋根材を重ね葺きする工法で、解体工事が少ないため葺き替え工事より工事費用が安くなります。
【屋根カバー工法工事工程】
- 足場架け
- 棟板金・雪止め金具撤去(既存屋根)
- 防水シート敷き込み
- 新規屋根材設置工事
- 新規棟板金・雪止取付
- 足場解体
屋根カバー工法の工期は1週間~10日ほどで、費用は100万円前後です。
屋根葺き替え工事やカバー工法は塗装できない屋根のメンテナンス方法として最適ですので、自宅が「塗装できない屋根材」であれば検討してみましょう。
H2 塗装できない屋根材を美しく変身させましょう
塗装できない屋根材を美しく変身させるためには屋根全体の葺き替えかカバー工法による重ね葺きがおススメです。
塗装できない屋根材が多くの建物の屋根に使用された背景には「アスベスト規制」による製品材料の転換が必要だったことと、建材メーカーによる製造技術が未熟であったことが原因と考えられます。また、屋根材についての知識が乏しい塗装業者による「塗装できない屋根材」への塗装が原因で、お客様の費用負担が増加してしまう事象も発生しているのが現状です。
自宅の屋根が「塗装できない屋根材」なのかは屋根・外壁工事業者による点検で確認するのがベストと言えますのでメンテナンス前には必ず屋根点検を依頼することをおススメします。
屋根が「塗装できない屋根材」であれば屋根葺き替え工事やカバー工法による重ね葺きのメンテナンスなら将来的にも安心できます。塗装できない屋根を美しく変身させませんか?
屋根根リフォームでの不安な点、困りごと、不明なことがありましたら遠慮なくご相談ください。