【外壁塗装の基本⑤】施工の流れを解説

憧れのマイホーム購入から早10年。ふと外壁を触ったら手に白い粉が……!そんな経験をされると最初はとても驚かれるかと思います。この「チョーキング」という現象は外壁の劣化によるもので、「そろそろ塗装をする時期」というひとつの目安にもなります。

外壁塗装にかかる期間は、季節や天候、お住まいの状況にもよりますが、約10日から約2週間が一般的です。

そこで気になるのが「外壁塗装の施工の流れ」です。実際、外壁塗装はさまざまな工程を経て完成します。今回はお見積り前の問い合わせ段階から外壁塗装の完成・引き渡しまでの一連の流れをわかりやすくご紹介いたします。

■ステップ(1)お問い合わせ・ご相談

お住まいに関するお悩みについて、まずはお問合せいただくことからスタートします。「些細な内容はちょっと聞きにくい」と思わず、まずは軽い気持ちで問合せてみることをおすすめします。中には問い合わせ段階で本当に問題がないことがわかり、不安が解消されたというケースもあります。それでは実際によくあるお問合せの事例を一部ご紹介します。

【よくあるお問合せの事例】そろそろ外壁を塗り直したいが身内の入院などもあり、あまり予算が取れそうもありません。予算内で外壁塗装することは可能ですか? ご近所に少し癖のある隣人がいるため、騒音や匂いなどのトラブルが心配で外壁塗装を躊躇しています。こういうケースはどうすればいいですか? なるべく次の塗り替えまでに長持ちするようにしたい。なにかおすすめの方法はありますか? 我が家の北側の外壁だけカビが発生してしまいました。一面だけきれいにしてほしいのですが、他の壁との違いが目立たないように塗装はできるものですか?

気になることがあれば、まずはお気軽にメールや電話でお問合せしてみましょう。外壁塗装の専門の知識をもつスタッフがお客様の疑問にお答えします。

ステップ(2)建物の調査・点検

お問合せ後、本格的に「我が家を見てほしい」と思われるかもしれません。その場合、専門スタッフが雨漏りの有無、漏水、外壁の劣化状況などを調査するためにお伺いすることとなります。(無料点検

細部に渡って調査するため、あらかじめ建物の図面などのコピーを用意していくとスムーズです。

【建物の調査・点検内容】雨漏り(天井裏などを調査)漏水外壁の塗装の色あせやチョーキングの状況外壁に付着する汚れ・コケ・カビの状況外壁のシーリング部分の劣化状況クラック(ひび割れ)の有無


■ステップ(3)調査結果のご報告

調査・点検で判明した建物の状況は、のちにお知らせされることになります。(業者によって報告書を作成してくれるところもあります。)お住まいの状況を正確に把握することで、この後にどのような外壁塗装工事を行うかを判断していくことになります。

多くの外壁塗装業者では、調査報告と一緒に提案書も作成しています。ここで予算やその他の要望などもすり合わせすることで、正式な工事の内容が決まってきます。

10年~15年(なかには20年)に1回の外壁塗装となるので、しっかり内容を検討した上で最適な方法を選択しましょう。

■ステップ(4)外壁塗装工事の契約・近隣へのご挨拶

工事の方針が定まったら、いよいよ契約となります。ここでは、最終的なチェックとして、着工前~工事完成、その後のアフターフォローまでの内容を書面で確認します。

工事日程が決まると、足場の建設、メッシュシートの設置、高圧洗浄等で近隣へのご挨拶も必要になります。多くの業者ではお客様に代わって「向こう三軒両隣」および、その他のご近所のお宅へご挨拶をしていきます。できればお客様ご自身もきちんと挨拶をしておくとより安心でしょう。その際に持参する手土産の相場は、500円~千円程度が目安となります。

【挨拶まわりの際の手土産例】タオル地域の有料ごみ袋洗剤菓子折り

ステップ(5)外壁塗装工事開始

仮設足場工事、メッシュシート設置

建物の周囲を囲むような形で仮設の足場工事が行われます。仮設足場の設置後は、メッシュシートを張ります。(メッシュシートは塗料が周囲に飛んでしまうことを防ぐためのものです。)

高圧洗浄

お住まいの外壁の汚れを取るための高圧洗浄を行います。専用の高圧洗浄機を使って一気に汚れを落としていきます。窓の締め忘れなどがないように、高圧洗浄を行う日はご注意ください。

乾燥

高圧洗浄を行った後、2日ほど外壁を乾燥させます。外壁表面を完全に乾かすことで、その後に塗料がしっかりと密着するようにしていく大切な工程となります。

下地調整

乾燥が終わったら、下地調整(下地処理)を行います。壁面のひび割れ補修、壁の剥がれ落ちた箇所にモルタルなどを詰める補修、目地のコーキング工事、その他の崩れかけている箇所のパテ補修など、細かい補修作業を行うことで、その後に塗る塗料が密着しやすいための土台づくりをします。

⑤養生

塗料の飛び散りなどを防ぐために、玄関のドア、窓、手すり、置物などにシートやテープを貼って塗料が付かないようにするための作業です。

外壁塗装

いよいよ外壁塗装になります。外壁塗装は、主に「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3段階の工程となります。(※塗料の種類や工法によっても多少異なりますので、ここでは一般的なものをご紹介いたします。)

6-1.下塗り下塗りは、上塗り用の塗料がしっかりと壁面に密着するために行われる下地調整です。現状の外壁の状況と後から塗装する塗料の種類などによって、「シーラー」「プライマー」「フィラー」「バインダー」など使い分けされています。 6-2.中塗り中塗りは、別名「上塗りの1回目」でもあります。多くの場合、中塗りと上塗りでは同じ塗料が使用されますが、塗り漏れを防ぐために敢えて中塗りと上塗りの塗料の色を微妙に変えるケースもあります。 6-3.上塗り上塗りは外壁塗装の最終段階となります。意匠性の高い模様で仕上げるサイディングやモルタル仕上げの場合は、透明な塗料を使用することもあります。塗装業者にとっては、塗りムラなく美しい仕上がりにするためにもっとも技術を必要とする工程となります。

付帯部の塗装

壁面の塗装以外の付帯部(破風板、鼻隠し、軒天、雨樋、雨戸、ベランダ、鉄部、木部)で塗装が必要な箇所にも塗装されます。

⑧メッシュシートの除去・足場の解体

塗装が終わった後はメッシュシートを除去し、足場を解体します。

■ステップ(6)引渡し前の点検

工事の完了後、お客様に引き渡しを行う前に不良個所がないかを十分確認します。さらに自社点検後はお客様ご自身にも仕上がりを確認していただくことになります。

■ステップ(7)外壁塗装工事の完了・定期点検

点検でご確認いただいた後、問題がなければ工事の完了となります。その後、定期点検などでアフターフォローを行います。

■まとめ

今回は外壁塗装の工程の流れについてご紹介しました。大切なお住まいをより長くお使いいただくためにも、10年をめどに外壁塗装をすることをおすすめします。

見積りを取るなどして、しっかりと内容を確認し、信頼のできる塗装業者を見つけましょう。