「外壁塗装は春か秋がいい」という話、よく聞きますよね。

天候が落ち着いているので塗料が乾きやすく、予定通りに工事が進むというメリットがあります。

ただ、人気の季節だからこそ予約が取りにくいというデメリットも…。

一方、外壁塗装には向いていないと言われる冬も実は工事自体はできます。

閑散期なので価格交渉に応じてくれる業者もいるって知ってましたか?

そこで今回は外壁塗装の季節別メリット・デメリットを紹介します。

外壁塗装の季節別メリット・デメリット

外壁塗装を行う季節によってメリット・デメリットがあります。

簡単に表にまとめてみました。

季節メリットデメリット
雨が少ない
湿度も気温も安定
窓を閉め切っても快適
優良業者は予約が埋まっている
気温が高く乾燥時間が短い
価格交渉しやすい
梅雨は雨が多い
窓を閉め切ると暑い
湿度も気温も安定
窓を閉め切っても快適
台風で雨が降りやすい
優良業者は予約が埋まっている
価格交渉しやすい雪・霜・結露で工事がストップ
乾燥時間が長くなる

詳しく見ていきましょう。

春:湿度も気温も安定していて乾きやすいが、予約が埋まりがち

春(3月・4月・5月)は外壁塗装に良いシーズンと言われています。

雨が少なく、気温・湿度が安定するため乾燥が早く進みます。

予定通りに工事が進むので、長引くことはほとんどありません。

また、工事期間中に窓を閉め切っていても快適に過ごせるのでおすすめ。

工事中は塗料がサッシや窓ガラスにつかないよう、養生テープでふせぎます。

家全体にも飛散防止シートがかけられるため、時期によっては暑くなってしまいます。

しかし春先なら換気しなくても室内は過ごしやすく、気にならないでしょう。

ただし、春は工事しやすい季節だからこそ優良業者のスケジュールはいっぱい…。

最初に問い合わせてから実際に工事が始まるまで数週間かかり、夏にずれ込むケースも考えられます。

予約が空いている業者を探してみても、あまり評価のよくない業者しか残っていないこともあるでしょう。

春に外壁塗装を頼みたいなら2〜3ヶ月前から業者探しを始め、見積もり依頼を取っておきましょう。

夏:気温が高いので塗料はよく乾くが、梅雨やお盆によって予定がズレる

夏(6月・7月・8月)はカラッとした日が多く、塗料がよく乾きます。

日照時間も長いため、「暗くなったから作業持ち越し」というトラブルもほぼないでしょう。

ただし、施工中は窓が開けられず、エアコンを使えない工程もあるため、暑苦しく感じます…。

業者によっては窓やドアを開けられるように配慮してくれるのですが、事前に確認が必要です。

また、別のデメリットとして6月は梅雨の時期という点が挙げられます。

雨が降ると工事がストップするので、工事期間が伸びてしまいます。

外壁塗装の塗料は水分に弱く、乾燥していない部分が流れてしまったり、十分に乾燥しなかったりします。

乾燥時間が短いと数年でヒビ割れ・膨れが発生します。

雨によってスケジュールがズレてしまえば、その分工期が延びます。

加えてお盆期間中は外壁塗装業者もお休みになるので、思った以上に完成が遅れるでしょう。

このように夏・梅雨の時期はデメリットが目立ちますが、外壁塗装ができないわけではありません。

業者にとっては閑散期なので、価格交渉に応じてくれることも!

外壁塗装は80万円など高額ですし、気軽にやり直しできないので、できるだけ費用を抑えたいですよね。

夏の時期は「暑さに強い人」「工事期間が伸びても気にしない人」は狙い目と言えるでしょう。

秋:カラッとしているので乾きやすいが、予約は取りにくい

秋(9月・10月・11月)は空気が乾燥しているため、塗料が乾きやすいです。

外壁塗装ができる条件の「湿度85%未満・気温5℃以上」をほぼ毎日満たします。

しっかり乾燥できるのでスケジュールが乱れず、キレイな仕上がりになります。

※夏の終りから秋の初めには台風の影響が出やすいので、お住いの地域に照らし合わせてスケジュールを決めましょう。

さらに嬉しいのが、室内での過ごしやすさでしょう。

穏やかな天気が続くので、窓を閉め切っていても特に困りません。

工事期間の14日ほどは窓を好きなときに開けられないので、室内の温度はとても重要。

秋なら暑すぎず寒すぎず、ちょうどよい温度を保てます。

外壁塗装中の過ごしやすさを重視する人にはおすすめの季節です。

しかし秋は春と同じく人気の季節なので、早めに予約しないとすぐにスケジュールが埋まってしまいます。

信頼できる業者を見つけるまでには時間がかかるので、2〜3ヶ月前にはお問い合わせしておいたほうが無難です。

お問い合わせから診断・見積もりは数日では終わりません。

「秋に外壁塗装したいなぁ」と思っているなら、夏頃に動き出すとよいでしょう。

冬:雪・結露で予定は遅れやすいが、価格交渉しやすい

冬(12月・1月・2月)は気温が低くなり、塗料の乾燥に時間がかかります。

どの季節でも外壁塗装は行なえますが、気温5℃以下では作業自体が行なえません。

外壁塗装の塗料は、下塗り・中塗り・上塗りというように3回塗料を塗り重ねますが、それぞれ乾燥時間が違う塗料もあります。

乾燥しないまま次の工程に入ると、塗料の本来の機能が発揮できないので要注意!

塗料が剥がれやすくなったり、膨れたりしてしまいます。

気づかず放置していると建材に水分が染み込み、建材が反る、ヒビ(クラック)が入る…などのトラブルの原因になります。

また、雪や霜・結露の中では作業がストップし、工事期間が長引く可能性も考えられます。

「雪が降るけど晴れ間もある」という日でも基本的に外壁塗装は行いません。

業者を選ぶときは「突然の雪にも素早く養生で対応できるか」「気候に詳しい地域密着型か」を確認しましょう。

悪徳業者の場合は、利益を確保するために天候が悪い日にも無理やり工事を進めようとします。

きちんとした業者なら天気を考慮して予備日を含んだスケジュールを組んでいるはずです。

冬のメリットとしては割引を受けやすいので、急ぎでない場合は選択肢に入るでしょう。

「塗替えしたいけれど、費用が気になる…」という人は、まず業者に相談してみましょう。

特に冬でもあまり気温が下がらない九州地方では、冬の工事がおすすめです。

外壁塗装に向かない環境とは?

「いつ外壁塗装をするべきか?」と考えたとき、塗料の乾燥時間から「向いている」「向いていない」と判断できます。

外壁塗装の乾燥は3〜4時間が目安ですが、環境によって変わります。

同じ塗料でも3時間で乾く場合もあれば、8時間程度かかる場合もあります。

詳しくはメーカーのパンフレットなどに記載されています。

使う塗料の種類が分かっていれば、ネットで調べることもできますよ。

例えば日本ペイント「水性パーフェクトシーラー」の乾燥時間は、30℃なら2時間以上で良いとされていますが、5〜10℃では6時間以上が必要です。

夏に比べて冬は倍以上の時間がかかるんですね。

外壁塗装が向いていない環境は湿度85%以上・気温5℃以下。

もちろん、雨や結露などの水分は大敵です!

乾燥が遅くなるばかりか、塗料が流れてしまうので作業が進みません…。

条件を満たさないと塗料が十分に乾かず、剥がれやすくなってしまいます。

一部分がボコボコと膨らむ場合もあるので、見た目が悪くなります。

せっかく高いお金を出して塗り替えてもらうのですから、長持ちしてほしいですよね。

塗料の特性を考えると、雨・雪が毎日のように降る時期は外壁塗装に適していないと言えるでしょう。

外壁塗装する季節より大切なのは業者選び

外壁塗装をするにあたって季節は重要ですが、説明したとおり、どの季節でも工事は可能です。

「外壁塗装に向いているシーズンだから、早く契約しなくちゃ」と焦って依頼しなくてもいいですよ。

実は、壁の塗替えで大切なのは季節よりも業者選びなのです。

優良業者なら塗料の乾燥時間を天気に合わせて調整してくれますし、突然の雨にも対応できます。

万が一、色ムラなどがあっても塗り直しもしてくれるでしょう。

以下のポイントをチェックして、信頼できる業者を探しましょう。

  • 地域の気候を熟知しているか?
  • 実績を公開しているか?
  • 工事が延長になった場合の追加費用は?
  • アフターフォローや保証内容は?
  • 営業マンの対応は誠実か?

残念ながら、外壁塗装はなかなか手抜きに気づけません。

「キレイにしてもえらてよかった!」と思っていても、数年で剥がれてきたり膨らんだりしていれば施工不良。

外壁塗装の耐用年数は通常10年なのです。

※塗料や環境によって年数は変わります。

すぐに異変が現れるようなら乾燥時間を守っていなかったり、外壁塗装の条件を満たしていなかったりという原因が考えられます。

壁の塗り替えは高額ですから、「もう一回塗ればいいか」とは思えませんよね。

万が一の際にも保証がついていれば塗り直しを請求できるので安心です。

そもそもきちんとした業者を選べば、長年キレイをキープできるでしょう。

「いつ外壁塗装してもらおう?」と考えるのもよいですが、「誰に施工してもらおう?」もとても重要ですよ。

まとめ

今回は外壁塗装の季節別メリット・デメリットを解説しました。

  • 春:湿度も気温も安定していて窓を閉め切っても快適だが、優良業者は予約が埋まっている
  • 夏:気温が高く乾燥時間が短く済むが、窓を閉め切ると暑い
  • 秋:湿度も気温も安定していて窓を閉め切っても快適。しかし予約が取りにくい
  • 冬:雪・霜・結露で工事がストップしやすく閑散期、価格交渉しやすい

それぞれメリット・デメリットが存在することを理解できたでしょうか?

一般的には気候が安定している春・秋がおすすめですが、時期を気にして焦らなくても大丈夫です。

壁の塗替えは「湿度85%未満・気温5℃以上」という条件さえ満たしていればどの季節でも可能なんです。

季節よりも大事なのは業者選び。

信頼できる業者を見極めて、後悔のない塗替えを行いましょう。